ラオス・ウドムサイ県ナーレー村、ナムヨン村

木部さんと途中から合流するかたちで、2019年3月、梅﨑教授らの調査チームもラオスで調査を実施しました。


2019年3月、ラオス北部のウドムサイ県で生体試料のサンプリングを実施しました。ラオス熱帯医学公衆衛生研究所、ラオス国立農業林業研究所との共同研究です。

2018年8月に実施した調査のフォローアップであり、前回、雨期にサンプリングをしたナーサワン村では、おなじ個人から乾期のサンプルをいただきました。また大学院生の木部さんが住み込みをしたナムヨン村では新たなサンプリングを実施しました。苦みやえぐみの強い野生可食植物の摂取と栄養適応の関係性を明らかにするプロジェクトであり、ラオス農村部の近代化によって、ファイトケミカルの摂取、腸内細菌叢の変容が、どのように相互作用しながら健康に影響を与えているかについて明らかにしたいと考えています。当研究室のメンバーのほか、東大農学部の研究者、名古屋大学・東邦大学の研究者、ラオス熱帯医学公衆衛生研究所・高地農業研究センターのスタッフ、郡保健局のスタッフなどが参加しました。また、今回はNHKの番組取材も受け入れましたので、そのうち4K映像で村落の様子がテレビ番組として紹介されると思います。

ナーサワン村とナーレー村では、2018年8月に収集させていただいたサンプルの分析結果についての報告会も実施しました。村の皆様からたくさんの質問があり、健康に対する意識の高さを感じました。次回の調査では、可食の野生植物を収集し、その植物学的な同定と、抗酸化・抗炎症作用の評価をおこないたいと思っています。

 

乾期のナーサワン村のようす。地面が乾燥して、風が吹くと砂が舞い上がります。

 

すごく苦かった実(名前は失念)。日本人には1粒でじゅうぶんでしたが、ラオスの方たちはたくさん食べていました。

 

ナムヨン村での調査会場のようす。たくさんの方が協力してくださいました。