ラオス・ウドムサイ県ナモー郡ナムヨン村

2019年1月から3月にかけて、修士課程2年の木部さんがラオスの村落に滞在し調査を実施しました。


1月下旬から約2か月間、ラオス・ウドムサイ県ナムヨン村にて生業スタイルと食物摂取に関するフィールドワークを実施しました。生業については、構成人数規模の異なる5世帯の女性と1週間行動をともにし、GPS・加速度計を用いたタイムアロケーション調査と参与観察を行いました。食物摂取については、同じ5世帯において、毎食ごとに食材の名称・使用量・入手手段・調理法などを記録しました。

  • 焼畑の開墾や魚とり、タバコの葉の収穫における協業スタイル
  • 家庭によって食事の品数や食材のバラエティに差があること
  • 葉物野菜と川に生えている藻、主食であるもち米の摂取量の多さ

などが興味深く印象的でした。また約2か月の滞在を通して村の人たちとあたたかい関係性を築くことができたのも、大事な成果の一つだと思っています。
今回の調査で得たデータと経験をもとに研究テーマを固め、今後より体系的なデータ収集をするための準備を進める予定です。

 

焼畑開墾作業の合間の昼食の様子。鎌で下草を刈り木を倒すというハードなこの作業は、複数の家族で一緒に行うことが多かったです。畑の持ち主となる家の人は手伝ってくれる人に対し、昼食をご馳走するほか、飲み水を川まで汲みに行ったり鎌を研いだりもします。

 

乾燥させたタバコの葉を仕分けている様子。タバコの葉は収穫後、竹の棒にくくり付けて専用の小屋の中で乾燥させます。グレードによって買い取り価格が異なるので、虫食い穴の数や色などを見ながら3段階ほどのグレード(きれい・普通(売れる)・汚い(売れない))に分けていきます。

 

食事の一例。メニューは、竹の子と菜っ葉のスープ(上下)、川の藻を蒸したもの(左)、唐辛子のたれ(右)、もち米。円卓に大皿を置き、箸やれんげで取って食べます。藻は少ししょっぱい味付けで、唐辛子のたれにはニンニクも入っており、もち米が進みます。