ラオス・ウドムサイ県のナムニョン村に、博士課程の木部未帆子さんが滞在し、調査を実施しました。
2022年8-9月、コロナ禍を経て3年ぶりにラオス・ナムニョン村でのフィールドワークを再開することができました! 今回の調査では主に、2019年の同時期(雨期)に行った食事調査・身体活動調査のフォローアップを行いました。その合間には、昨年の生産・収穫物や現金収入の記録、身体・血圧測定、家系図の作成や味覚検査の予備調査などを行い、充実した2か月間になりました。
コロナで渡航できなかった間に村でも様々な変化があり、「現金経済化」の進展を肌で感じました。例えば、ナムニョン村では新たにサトウキビの契約栽培を始めていました。また、電波が届くようになったことでスマートフォンやプリペイドカード(インターネットの利用に必要)を買う人が増えたり、宝くじが導入されたりといったように、娯楽に現金が絡むようになりました。村の小売店の数も2(2019年9月時点)から4に増え、親にお菓子をねだる子どもの姿が毎日見られました。物価も上昇し、食塩やうま味調味料、長靴や帽子といった日用品の値段が、コロナ前と比較して2~3倍になったそうです。2019年と比べると、現金を使用する頻度・額ともに増加しました。
食事・身体活動調査のデータは、2019年と同じ14世帯から得ることができました。
村での食事は、前回の調査時と同じく「大量のもち米」と「野菜のおかず」が中心でしたが、魚の缶詰やインスタントラーメンなどといった小売店で購入した食品を食べる回数がやや増えました。
身体活動に関しては、2019年雨期の生業活動は焼畑と水田の除草が主なものでしたが、今年はそれにサトウキビ畑の除草が追加される形になりました。特に女性は忙しく、「10日働いて1日休む」といったスケジュール。除草は炎天下もしくは雨の中での腰を屈めながらの作業であり、肉体的にハードです。それでも村の皆さんは、友人や親戚とおしゃべりしたり歌ったりしながら作業しており、どこか楽しそうなのが印象的でした。
現在は、調査で得たあらゆるデータの分析を進めているところです。このコロナの3年でどのような変化があった(なかった)のかをみるのが楽しみです。冬(ラオスでは乾季)にも同様の調査をしたいと考えているので、そちらの準備も進めていきたいと思います。
(文責・写真:木部未帆子)
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