論文掲載

博士課程・関家さんの論文が掲載されました.


本研究ではラオス北部住民において、腸管感染性ウイルスの無症候性キャリア(ウイルスが検出されたが下痢や発熱がない人)の割合を調査し、無症候性感染と腸内細菌を含む個人特性との関連を検討しました。

腸管感染性ウイルスの無症候性キャリアの割合を近代化の程度の異なる3村落間で比較すると、近代化の程度の低い村に無症候性キャリアが多いことがわかりました。また、無症候性キャリアはウイルス不検出者と比較して腸内細菌の多様性(OTU数)が高いこと、無症候性キャリアとウイルス不検出者は腸内細菌叢組成が異なること(unweighted UniFrac距離に基づくPERMANOVAで検討)がわかりました。

この結果から、北部ラオスにおける腸管感染性ウイルスの無症候性感染に、近代化や腸内細菌が関連している可能性が示唆されました。

Sekiya, S., Masuoka, H., Mizuno, Y., Kibe, M., Kosaka, S., Natsuhara, K., Hirayama, K., Inthavong, N., Kounnavong, S., Tomita, S., Takayasu, L., Suda, W., Yagyu, F., & Umezaki, M. (2024). Asymptomatic Enteric Virus Infections and Association with the Gut Microbiome in Rural Residents of Northern Laos. The American journal of tropical medicine and hygiene110(4), 759–767. https://doi.org/10.4269/ajtmh.23-0209