日本語ページ: 東京大学 医学系研究科 国際保健学  人類生態学       
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研究プロジェクト


<平成18年度>

研究テーマ:人口増加にともなう適応機構の変容:パプアニューギニア高地における調査研究
期間:  H18~H19
助成機関: 科学研究費補助金 若手研究(B)
代表者: 梅崎昌裕
参加研究者数:1名
活動の概要: 

 本研究の目的は、パプアニューギニ ア高地西部のタリ盆地に居住するフリ言語族集団を対象として、人口増加が、食料生産、土地利用、時間利用、人口再生産、栄養状態、環境利用など個体群レベ ルの適応機構に与える影響を明らかにすることである。考古学的、人口学的証拠によれば、タリ盆地では250年前にサツマイモが導入されて以来、年率1%以 上の割合で人口が増加してきた。また、1950年代に外部社会と接触し、ワクチン接種をはじめとする医療活動が開始されてからは、年率2%以上で人口が増 加してきた(パプアニューギニア国立医学研究所タリ支部の人口動態統計を用いた推計)。これらの推計にしたがえば、過去 250年間で地域人口は少なくとも20倍に増加したと考えられる。申請者は1993年から1998年にかけてタリ盆地で現地調査を行ったが、その時点での 人口密度は盆地中央部で400人/km2、盆地周辺部でも50~100人/km2に達していた。これは自給的な生業に依存する集団としては最も高いレベル である。実際、タリ盆地における人口サイズは地域の人口支持力(環境収容力)に迫りつつあり、申請者のこれまでの研究によれば、人口増加の影響をうけて盆 地の辺縁部では持続的な食料生産が不可能となりつつあり、一方中央部では辺縁部からの人口流入によって極端な土地不足がおこっていた。また、人口密度の高 い盆地中央部からは、首都ポートモレスビーへの人口移動が顕著であった。本申請課題では、前回の調査から10年以上を経過した2006-2007年度に、 以前の調査と比較可能なデータ(食料生産、土地利用、時間利用、食物摂取、人口再生産、栄養状態、環境利用)を収集することによって、集団の人口サイズが 地域の人口支持力に近づくプロセスで、タリ盆地に生きる言語族集団の適応機構がどのように変容したかを明らかにする。本申請課題は、高い内婚率によって人 類学的な意味での個体群の特徴を維持し、かつ途上国のなかでも人口増加の影響が顕著であるパプアニューギニア高地タリ盆地を対象にした生態人類学的研究で あり、人口増加にたいする個体群の適応機構という人類学の根本的問題に寄与するとともに、現代の地球人口問題へ現実的なデータを提供するものである。


研究テーマ:アジア地域における経済発展による環境負荷評価及びその低減を実現する政策研究
期間:  H18~H20
助成機関: 地球環境総合研究推進費
代表者: 渡辺知保
参加研究者数: 30名
活動の概要: 

 中国をはじめとするアジア諸国の農 村部では,在来農耕から換金作物栽培への転換が急速にかつ広範に進行している.こうした農村の市場経済化は,農薬や食品添加物など化学物質の地域生態系へ の導入と放出・蓄積という側面をともない,農村部に居住する住民の健康・生存の持続性のみならずそこで生産される食品の安全性にも影響することが懸念され ている.本研究課題は,研究代表者をふくむ人類生態学者が調査経験を有するアジア地域の6カ国約30村落を対象に,生業転換とその環境影響を記述的に整理 し,さらには多変量解析による一般化のための分析を通して,アジア地域において進行する生業転換と化学環境転換との相互関連性を明らかにすることを目的と する.梅崎はこの研究課題のなかの 「バイオマス・生物多様性の評価と生業にかかわる基本データの収集・分析」サブグループを担当し、対象村落における、 生態史の復元,市場経済化・生業転換の経緯の聞き取り,栄養摂取量,労働時間,労働負荷,周辺環境のバイオダイバシティー評価,人為的攪乱空間の生物多様 性評価、政策提言を主たる責任範囲とする。 

研究テーマ: アジア農村地域における市場経済化と化学物質曝露
期間: H18
助成機関: 東京大学AGS研究会(Full Project)

代表者: 梅崎昌裕
参加研究者数: 7名

研究テーマ: 都市環境が日常生活活動に及ぼす影響に関する調査研究
期間:  H17~H19
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(A)(一般)
代表者: 李延秀
参加研究者数: 10名

研究テーマ: 東南アジア大陸部における土地利用変化のメカニズム:フィールドワークとRSの結合
期間:  H18~H21
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(B)(一般)
代表者: 河野泰之
参加研究者数: 10名

研究テーマ: インドにおける参加型森林管理の効果:貧困削減と森林の多面的機能の観点から
期間:  H18~H19
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(C)(一般)
代表者: 櫻井武司
参加研究者数: 3名

研究テーマ: 実践としてのエスノサイエンスと環境利用の持続性:中国における焼畑農耕の現在
期間:  H15~H18
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(B)(海外)
代表者: 篠原徹
参加研究者数: 6名

研究テーマ: 文化財データの分析に関する総合的研究
期間:  H18~H21
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(A)(一般)
代表者: 村上征勝

研究テーマ: フィールドワークの理論と手法に関する総合調査:海外学術調査の展開をとおして 
期間:  H18~H21
助成機関: 科学研究費補助金 基盤(A)(一般)
代表者: 内堀基光

研究テーマ: アジア農村の長期変動研究とインド農村開発
期間: H18
助成機関: 東京大学AGS研究会

代表者: 水島司
参加研究者数: 4名