ラオス・ウドムサイ県村落サンプリング調査(2025年3月)

ラオス・ウドムサイ県ナムニョン村でサンプリング調査を2025年3月に実施しました。


2025年3月に、ラオス・ウドムサイ県ナムニョン村の住民の皆さまにご協力いただき、アンケート調査、生体試料(尿、血液、唾液、毛髪、便)の採取、身体測定を実施しました。ラオス熱帯医学公衆衛生研究所、ラオス国立農業林業研究所との共同研究です。今回は、2019年3月に同村落で実施された調査のフォローアップとして実施されました。前回の調査へ参加してくださった方のほとんどが、今回の調査にも参加してくださいました。調査にご参加・ご協力くださった全ての方々に、心より感謝申し上げます。

今回は、当研究室の梅﨑教授、木部助教、大学院生の張さん、李さん、初田さん(当時学部生)、私(関家)、東邦大学の研究者が現地へ足を運び、調査を実施しました。共同研究機関のスタッフの方々にも調査に参加・協力していただきました。

近隣の村落でフィールド調査をしていた張さん、李さんとは現地で合流しました。

前回の調査以降、サトウキビ栽培の導入により村の人々の生活様式が顕著に変化しました。今後、この変化が村の人々の健康に与える影響について生体試料を用いて検討する予定です。それに加え、苦みやえぐみの強い野生可食植物を村の人々が日常的に摂取する点に着目し、腸内細菌叢や味覚の観点から研究していきます。

これから多様な視点から研究を行い、面白い発見に繋がるよう努めて参ります。調査の結果は参加者の皆さまに還元させていただきます。

 


調査会場の様子
(撮影:関家 紗愛)

 

ここからは、現地調査へ参加した感想を共有させていただきます。

基本的に全ての料理が塩・にんにく・唐辛子・うま味調味料で調味されていた上(チームの食事は街の方が作ってくれていたため村の食事そのものではないようですが)、街のどの小売店にもお徳用サイズのAJINOMOTOがずらりと並んでおり、うま味調味料が食事を変えたことを実感し、食文化や人体への反映について興味を抱きました。

 


(撮影:初田 将吾)

 

また木部さんの仰る通り、確かに苦味・渋みの非常に強い食材を好んで食べている印象を受けました。特にジャックフルーツの若い実は、酸っぱい渋柿といったような感じで非常に刺激的でしたが、村の方には大した刺激ではないようで驚きました。

愛玩動物としてではなく生業のパートナーとして共に生きる動物たち、
世帯の境なく村の子として育てられる子どもたち、
食品・農業・建設など、多くの産業に流入する外資、
食料自給に代わって商品作物栽培が至上命題となり、貨幣経済へのさらなる依存を強める農村...

初めて海外調査に同行して日本、こと東京にいては触れることのできない多くのことを見聞し、フィールドワークの面白さや意義を体感しました。関わった皆さまに感謝申し上げます。

 


現地マーケットでココナッツウォーターを飲みました
(撮影:梅﨑昌裕)

 

(文責:関家 紗愛、初田 将吾)